ユーロナスカー開幕戦 スペイン/バレンシア 三浦健光 レースリポート

 スペイン/バレンシアサーキット  2019年4月12-14日

 今年からタイヤがジェネラルタイヤへと変わり、同時にダンパーが変更になった事で昨年までのクルマとはガラリと変わってしまった今年のユーロナスカー。冬の間にチームオーナーのアレックス・カフィと打ち合わせをし何度もテストの日程を調整したものの、どうしても予定が合わず結局ぶっつけ本番となってしまいレース前のセッティングが一切できない状態での開幕戦となってしまいました。

 昨年は練習の意味からエリート1/2の両方を走りマイレージを稼ぎ、結果、チャレンジャートロフィー(FIAドライバーカテゴリーのシルバーとブロンズドライバーに与えられるタイトル)を獲得。

 今年からはより本格的に総合優勝を狙いエリート1に絞り、更に昨年に引き続きチャレンジャートロフィーのタイトルを二年連続で狙います。

4月12日(金)/フリープラクティス:

 チームのエースドライバー、そしてカーナンバー2のエリート1ドライバーとしての責務を負う今シーズン。コースオープンと共に真っ先にコースイン。チェック走行をしていたわずか三周目、タイトコーナーを旋回中パワステに違和感。その直後、突然ステアリングが切れないほど重くなり、かなり危険な状況になりましたが何とかクラッシュを回避してピットへ。パワステユニットのトラブル。予期せぬパーツだった為、スペアパーツが無く手配が遅れその日の走行は終了。タイヤとのマッチングやサスペンションをセットアップする時間など皆無のまま翌日の予選を迎える事になってしまいました。

4月13日(土)/予選:

 前日の状況もあり、ステアリングのトラブルが直っただけの状態でプッシュしたものの、フロントタイヤのロックアップ、タイトコーナーでのリヤのロールオーバー(タイヤの変形)によるフィーリングを掴めぬまま33台中27位と下位に。

ラウンド1/22位/チャレンジャートロフィー3位

 予選では下位に沈んだものの真ん中くらいまでは上がれるのでは?とレースシュミレーションして臨んだ開幕戦、ラウンド1。

 スタートをミス。周回を重ねたもののマシンの動きがイメージ通りに動かず、ブレーキにも違和感を感じながら我慢の走行。この新しいシリーズパートナーのジェネラルタイヤはタイヤトレッド表面のグリップこそ高いもののサイドウォールが極端に柔らかく、ハードブレーキでは大きなピッチングを発生してしまう。こうなるとレース中にドライバーが出来ることはブレーキバランスの調整のみ。3クリックほどリヤ側の効きを上げる様にアジャストするが、今度はタイヤの内圧が高まり過ぎるとグリップが一気に低下すると言う現象が出て、このタイヤを手足の様にコントロールするには程遠い状態での周回を重ねる。

 ユーロナスカーとナスカーマシンは多くのバトルをしながらレースを展開するスタイルである事から、この様な状況でもバトルをしていたが、マシンに対する信頼が今ひとつ持てず、攻めの走りをするところ迄は踏み込めずにラウンド1はチェッカー。

ところがその後、このウイークエンドの流れをさらに悪くする出来事が発生。

 土曜日のエリート1/ラウンド1の後、同じクルマでエリート2を別のドライバーで戦うのだが、このエリート2のレースで終盤、大クラッシュが発生。カーナンバー2はフロント部分を大破してしまった。この修復にチームは深夜2時まで作業を強いらる事に。


4月14日 朝/ウォームアップ

 10分間のウォームアップ。修復されたマシンのチェック走行をするが真っすぐに走らず、更にステアリングを切った時、ロールケージに手が当たってしまいレーシングスピードでコーナーリングが出来ない。エンジン・トランスミッションなどのパワーユニットには問題ない事を確認。

 しかしその後、午前中に行われるエリート2にて、またも大クラッシュをしマシンは再び大きなダメージを追ってしまった。

午後 ラウンド2/16位/チャレンジャートロフィー2位

 午前中のクラッシュによるマシン修復に時間がかかり、ピットレーンオープンギリギリにコースイン。元々直っているのか直っていないのか分からない状態だった為、正直、大きな違和感を感じなかった。そこで気持ちだけを切り替えてのエリート1の決勝、ラウンド2へと臨んだ。

 スタートは2速へのシフトアップを失敗し、横のクルマに前へ出られてしまう。しかしこの車輌とその前にいたクルマがスタートラインから300mほど先のストレート上で激しくコンタクト。その他の1台も巻き込まれ大クラッシュ。この2台はほぼ全損となった。他の1台はスピンだけで終わりSC中にレース復帰。

 スタートを失敗した事により逆にこの事故を間一髪で避ける事が出来たのは不幸中の幸いで、SCランをしながらリスタートを待つ。クルマの状態は土曜日のレース後にリヤのグリップを上げる方向へ変更し、その感触は得られているがシビアなタイヤの状況変化に対応する幅の広いセットアップは全く出来ておらず、そのバランスの悪さに苦しめられた。

 リスタート後、多くのバトルがあり中段グループになんとか喰い下がりレースを続ける。終盤、エンジン回転が上がらないガス欠症状が発生し、スピードを欠いてしまったこともあり最後まで攻めきれる事が出来ずにレースはチェッカー。

 それでも昨年タイトルを手にしたチャレンジャートロフィーは2位となった。これはこのハードなウィークエンドの中で唯一得られた光だった。しかしレース中の無線の不具合やマシンのセットアップ。ジャック・ビルヌーブやボビー・ラボンテ、クリストフ・ブシュー等、ワールドクラスのドライバーの中で上位を狙う状況には至っていない事に対するストレスは大きく、フラストレーションの溜まるウィークエンドとなってしまった。

 比較的好きなスペイン・バレンシアサーキットだったものの、とにかく新しいマシンのタイヤや足回りの調整に時間が掛かってしまい、そこへ自分では無い大きなクラッシュが二回連続したことで速さを追及するに至らない開幕ラウンドになってしまいました。

 エンジンの不具合の原因追求など、次戦イタリアに向け改善しなければならない事が山ほどありますが、チームの士気は下がっていませんし、ドライバーの実力で上位と大きな差があるとも思っていませんので、前向きに望みたいと思います。

次戦、5月10-12日、イタリア/フランチアコルタでRd.2、シリーズ第3-4戦が開催されます。

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