MRF F1600のペナルティに関する顛末

プレスリリース発行前から複数の方より『今回、何があったのか?』と言う問い合わせが入ったのでここに説明いたします。

まずCar No.81の廣田 築 選手ですが、セーフティーカー中にオーバーテイクをし前車に乗り上げてクラッシュし赤旗になる直接原因を作りました。
その事でスチュワードから厳しく追及され、約35,000円の罰金を科せられました。
現地ではかなり高額であり、日本の物価に換算すると20万円以上の罰金となっております。

罰金の直接的な原因はクラッシュした地点より5つ前のポストにすでに黄旗が二本振動で出ていた事。
フラッグポスト上ではSCのボードが掲げられ、その地点を過ぎてからオーバーテイクを仕掛けた事を厳しく指摘されました。

本人は『全く見えていなかった』と釈明し、さらに乗り上げた相手方ドライバーのヘルメット寸前に廣田車のタイヤが迫ったと言う事で他のドライバーから当然ながら相当な非難の声があがりました。
常々危険な走行が多い同選手に対して注意を促していたのですが、当人が『危険』と『レーシングの領域』の区別が付いていなかった模様でした。
過去にもドライバーコーチを務めたルパート・クックからも走行を止める指示が何度か出ました。
「このままだとそのうちトンでもない事故を起こすよ」と口すっぱく注意をしていましたが残念ながら最悪なケースとしてその事故は起こってしまいました。

しかし指示された罰金を払った以上、これ以上でもこれ以下でもない話しです。

廣田 築 選手に関する報告は以上です。

続いて今回、初参戦となったCar No.69の吉田照己 選手についてです。

結論から言うと2レースともイエロー(うち一回はSC中)中のオーバーテイクと言う事でこちらも罰金16,000円(物価換算すると日本では10万円以上に相当する)のペナルティを科せられました。
レーススチュワードから『レース1年目ならまだしも3年目でこれは許しがたい行為』『どこでレースをやっていたんだ???』等と相当、厳しい追求を受けました。事前にポストの位置を確認していない、また裁定の最中にも「抜いた覚えが無い」等と繰り返した為、当初は厳重注意を考えていたスチュワードも結局は罰金と言う重いペナルティとなってしまいました。

当チームが参加している同シリーズはインド国内選手権シリーズで日本で言うと全日本選手権にあたります。つまり全日本F3選手権と同等な格式のレースなのです。参加ドライバーの中にはフォースインディアF1の育成プログラムに組まれているドライバーもいますし、インドASNのチャンドック会長はカルン・チャンドックの父親でもあります。新興国ではあってもヨーロッパと直接繋がっている面々の前で起こした行為はモータースポーツ先進国のひとつであるはずの日本国の選手としては非常に恥ずかしい結果であると思います。

また選手の一人が『今まではこんな事なかったのにどうして???』と言う発言をしていましたが、当該シリーズのレーススチュワード/レースダイレクターはF1インドGPでもスチュワードのひとりとなっております。
裁定に関しては基本的にぶれる事は無く、またそのジャッジは公明正大であり、所属国に対する偏見などは存在していない事、つまりはドライバーの責任範疇の中であった事をここに明記しておきます。