アジアのモータースポーツの存在意義

例えばフォーミュラ・ピロータ・チャイナやAFR(アジアン・フォーミュラ・ルノー)に挑戦すると言うのはどう言う意味を持つのでしょうか?もちろん時代背景とか色々と異なるので、一概には言えませんが、ひとつ言うならば、『比較的安く走行距離を伸ばす』に尽きるのではないでしょうか?
もっとも分かりやすい成功例で言うと、昨年の英国F3で史上最年少チャンピオンを獲得した桜井孝太郎選手。彼も四輪のキャリアは中国・上海からスタートしました。マネージャーの町田英明氏から相談を受け、

『どうしたら良い?』
に対して、
「だったら(四輪に)あげちゃいなよ(ステップアップさせなよ、と言う意味)」
で、決着。

2008年12月、極寒の上海サーキットでそのキャリアの第一歩を踏み出しました。
当時14歳。
最初は上海サーキットのKART場で走らせました。

マシンはフォーミュラ・ウエスト(日本で言うFJ-1600)。ここで勘違いしてはいけないのはウエストと言うマシンをマスターする為に乗せたのではないのです。KARTに比べて重さもあり、大きなマシン。さらにアクセル・ブレーキ・クラッチの関係性を体で覚える。
そこだけに集中しました。

けっしてどこぞのサーキットで”○○秒を切ったらレースに出られる”なんて言う次元ではありません。そしてここで5,000km以上を走り、僕らの任務は終了。彼らは次のステージへと進み、フォーミュラBMWのスカラシップを獲得したのです。そこに至るまではすでに1万㌔以上の走行距離を稼いでいたでしょう。いつも私が言うのはいきなりスカラシップを狙い、運良く通ったところで基礎勉強が出来ているやつには敵わない。言ってみれば予備校にも行かずに名門大学の試験を受ける様なもんですね。

さてそこでアジアのモータースポーツに話しを戻します。かつてのAFRはマカオGPのサポートレースに組み込まれ、ヨーロッパや世界各国のルノーのチャンピオンがやってくると言う凄いレースでした。04年には可夢偉も参加していましたし、スコット・スピードやブルーノ・セナも参戦していました。しかし今ではどうでしょう?参加台数は10台前後、そのうち2名は女の子のドライバー。その女の子を抜けない日本人ドライバーなんて間抜けな光景も見てとれます。これじゃあ『何の為のレース参戦?』=答えは『ただの自己満足』と言う図式になってしまいます。それは人の興味も感動も呼びません。むしろ下に見られてしまいます。

現在、中国のフォーミュラ・ルノーにはうちも含めて6チーム程が参加しています(スポット参戦もあります)。だいたい平均すると1イベント7-10万元と言うのが相場でしょうか。昨年の開幕戦前にマカオのCと言うチームが『珠海だったら5万元でいいよ』等と言ってセールスし、他のチームから顰蹙を買っていましたが…
まぁ、いずれにしてもレースフィーから計算すると日本のFCJと大体同じ位か、少し高いと思います。ちなみに私のチームが初めて参加した2005年は年間の参戦費が48万元(当時のレートで約550万円)。それでセパンのスーパーGTとマカオGPのサポートレースがあったのですから良い時代でした。

こうなると、この地域へのレース参加はどう捕らえれば良いか?と言う問題になってきます。これはもう答えは簡潔。『FCJなかんずくメーカー枠へ入る為の練習』
ここに尽きます。

一旦話しは横道へ逸れます。日本のレーシングドライバーにとって”プロ”とはなんでしょうか?それは”メーカードライバーになる事”に尽きます。その”メーカードライバーになる道”はどこにあるのでしょうか?それはFCJにしかないのです。もっと言えば、FCJのメーカーオーディション、さらにその手前のSRS-FやTDP等、とにもかくにもメーカーのやっている窓口へ行くしかない。それが現実です。よくメーカー枠を落ちてしまい、メーカー枠外でメーカー枠のFCJドライバーを倒せば道は開ける、と言うドライバーがいますが今までそう言うドライバーは一人もいません。メーカードライバーを倒されたらメーカーにとって”邪魔なやつ”になってしまうのです。

話しは戻って、
その様な背景から考えると、アジアのレースのポイントは次のように纏められます。

  1. 安く練習できる
  2. 走行距離を伸ばせる
  3. 比較的、低年齢からフォーミュラの経験を積める

逆に言うとこれしかありません。ここで沢山の距離と新しいタイヤでのテスト(これが重要です)を重ね、常に良いクルマの状態で距離を重ねる事です。古いタイヤで一生懸命走ってもあまり意味がありません。或いはレースに出なくても1年間、練習だけでも良いでしょう。それからメーカーのオーディションを受ければ良いのです。ですからKARTからステップアップを考えている15-17歳前後のボーイズがもっとも適している環境がこのアジアン・モータースポーツだと言えます。

日本でやってダメだったからアジアへ。これもひとつの道でしょう。しかしその先はありません。その先はただ”自己満足の為に金をドブに捨てる”だけの行為になります。カネを払って上のクラスのマシンのテストをしたければ、1,500万円用意してください。下位チームのF1だったら1日その位の値段でテストできます。
でも、それは違いますよね?
日本人なら日本のメーカーの流れの中にシッカリと乗ることが大切です。数日以内に今年のレース/テスト・パッケージを発表します。また日本に数名のエージェントを配置しました。これから順番に御紹介していきますのでお楽しみに。

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